トレッドミルとは水の物理学的特性を利用し、人医学領域ではリハビリテーションに用いられてきた水中療法です。近年では動物での様々な整形外科疾患や神経疾患のリハビリテーションとして普及してきました。
当院でも手術後のリハビリテーションの一貫としてトレッドミルを用いた水中療法を始めました。
トレッドミルの効果
水中では、骨、筋肉、関節などの治療中の組織への負荷が軽減されるため、陸上ではできない運動が行えます。そのため術後比較的早期からのリハビリが可能になり、速やかに正常な運動機能の回復が望めます。
トレッドミルの効果がみられる症例
- 椎間板ヘルニア
- 骨折後のリハビリ
- 大腿骨頭切除
- 関節脱臼整復
- 前十字靱帯損傷
- 肥満の改善 など
注意点
- 当院で行う水中療法は、小型~中型犬(体重約15kg位まで)のみを対象としており、大型犬 やその他の動物は対象外となります。状態や目的に合わせ、ライフジャケットを着用し、水泳や水中での歩行運動を行います。
- 水中療法は、整形外科疾患、神経疾患のリハビリテーションや、陸上運動が困難な場合の減量を目的として効果が期待できます。しかし、1度の実践で効果が出るものではなく、リハビリテーションや減量のプログラムの一環として、他の治療と組み合わせながら継続して行っていく必要があります。
- 水中での運動は、身体にある程度の負担となります。健康状態が良い場合でも、実施後に疲れやすくなったり、体調を崩しやすくなったりする場合があります。したがって、心臓疾患や消化器疾患など、何らかの基礎疾患を持つ場合は実施することが出来ないこともあります。実施に当たっては担当獣医師とご相談下さい。
- 上手く水中運動が出来るようになるまで、数回の実施を必要とするため、初めは充分な運動が出来ないことが予想されます。水や運動に慣らすために、最初は短時間から始め、徐々に水に浸かる時間を長くしていきます。また、水を極端に怖がりパニックに陥ってしまう様な場合は、安全のため運動を中止する場合があります。
- 実施時間は原則として平日の昼12時~15時半の間となります。午前中にご来院していただき、お預かりして行います。お迎えは午後の診察時間内となります。