少し前のことですが、3月末に私が大好きだった場所がひとつ消えてしまいました。
箱根にあった「星の王子さまミュージアム」です。
フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの著書「星の王子さま」の世界を彷彿させるテーマパークで、
私はあの❝世界一有名なネズミさんのパーク❞よりも大好きでした。
スタッフの松永さんも「星の王子さま」の大ファンで、「星の王子さまミュージアム」を『子供の頃はじめて「星の王子さま」を読んだ時に想像した本の世界が、そのまま形として目の前に広がっていて感動』と称賛していました。
そんな素敵な場所である「星の王子さまミュージアム」の閉園が昨年秋に報道されました。
閉園の理由は、コロナ禍による来園者の減少と施設の老朽化。時の流れを感じるとともに、コロナウイルスに脅えず足を運べば良かったのか、何かもっと行動を起こせば閉園せずに済んだのではないかと、後悔や悲しみで落ち込んでしまい愛玩動物看護師国家試験の勉強も手につかなくなってしまいました。
何も出来ずにじっとして悲しんでいるならば行ってしまえと思い、箱根まで強行。久しぶりに行った「星の王子さまミュージアム」は、何年たってもやはり素敵で、本の世界に入り込んだような夢心地でした。滞在時間4時間の「星の王子さまミュージアム」でしたが、行ったことで落ち着きを取り戻し勉強にも身が入るようになりました。その後も数度訪れ、3月下旬に行ったのが最後になりました。「いままでありがとう、そしてさようなら」の気持ちが届くように丁寧にパーク内を歩きました。
広い地球上で唯一だった「星の王子さまミュージアム」。出会いがあれば別れがあるのは、未来永劫変わらぬ事実。悲しむばかりでなく、楽しかった思い出を宝物にして、いつかまた私が大好きな場所がどこかに誕生するはず、と希望を持ちつつ過ごしたいと思います。
良く晴れた日に訪れた「星の王子さまミュージアム」。振り返って見たミュージアムの空にふと王子さまの声が聞こえたように思えました。
「ね、ヒツジの絵を描いて」と。
いつかきっとまた会えるよね。
建物は作者サン=テグジュペリの故郷・南フランス風
本のシーンをモチーフにした像があちこちにあって、歩いているだけで気分は最高です
有名なあのシーンも登場
パーク内でのレストランでは南フランスのお料理や、こんなかわいいパンケーキもありました
素敵でしょう?
関 依子